鼓膜形成術

【鼓膜形成術】
何らかの原因で鼓膜に穴が開いてしまっている方に鼓膜を閉じる手術です。当院では、3~4日の短期入院にて行っております。

鼓膜に穴が開いている状態をそのままにしておくと、定期的に耳だれが出てきてしまい、聞こえが少しずつ悪くなってしまいます。

鼓膜形成術の良い適応: 外傷性の鼓膜穿孔、慢性中耳炎、耳の手術後の再穿孔、チューブ留置術後の鼓膜穿孔


治療前は鼓膜に穴が開いており、そこからの感染より、年に数回の耳だれに悩まされていた方です。   手術は、局所・全身麻酔どちらでも可能で、耳の後ろの組織を一部切除し、穴の開いた部分へ、裏から貼り付けます。
   
 
手術前と比べて聴力は改善する方が多いです。この方の場合では、使用していた補聴器なしでも、日常会話が可能になりました。   手術後は一時的に違和感や難聴が出現しますが、90%以上の方が1~2ヶ月で写真のようにきれいに穴がふさがります。ふさがると、耳だれはでなくなり、聞こえが良くなる方がほとんどです。


当院で鼓膜形成術の手術をされる方へご説明する内容を抜粋し掲載します。
検討されている方は、ご参考ください。

【全般】 
□ 入院は基本的に2泊3日で手術の前日入院、翌日退院となっておりますが、合併症等により退院が延期になる可能性があることをご了承ください。
□ 入院後、強い耳内感染等や、全身麻酔が困難な事が判明した場合、手術延期となり退院となる可能性があることをご了承ください。
□ 入院中の常備薬等の処方や、他科受診は原則的に行っておりません。常備薬は日数分持参してください。

【麻酔】
□ 手術は全身麻酔で行います。麻酔に関しては麻酔科の医師より説明があります。ただし、全身状態に問題のお持ちの方は、局所麻酔で行う可能性もあります。
□ 手術前日21時より手術後翌日の朝まで飲食禁止です。
□ 手術当日朝、水分を摂るための点滴を入れます。(1件目以外)
□ 手術の順番は、入院後お話します。
□ 手術時間は約1時間半(両側は2時間)です。
□ 手術終了後、ご本人やご家族へ手術についてご報告いたします。

【術式】 鼓膜形成術
□ ①耳の後ろに約2cmの皮膚切開を行い、皮下組織を一部摘出します。
□ ②耳内より鼓膜穿孔部の辺縁を全周切除します。
□ ③穿孔部に採取した皮下組織を挿入し、位置を調節する。
□ ④同部にフィブリン糊を滴下し固定します。

【合併症の可能性】 鼓膜形成術
□ 痛み(薬でコントロールできる範囲です)、出血(小量です)
□ 一過性のめまい・耳鳴(数時間で改善、まれに数日持続)
□ 耳後部、耳内のしびれ、違和感(数週間で改善します)
□ 耳だれ、耳出血(量が多い場合は、適宜対処します)
□ 再穿孔(1年以上穿孔閉鎖状態が保たれる確率は約90%で、再穿孔が生じた場合に保存してある皮下組織を外来にて使用することで、約95%の方が閉鎖します)
□ 麻酔薬に対するアレルギー反応(まれ)(麻酔薬アレルギーある方は、必ずお伝え下さい)

【退院後】
□ 手術した耳に水が入らないよう気をつけてください。
□ 耳後部の縫ったところは、汚れた手で触らないようにしてください。洗髪の際は、あまりこすらないようにしてください。(汚れた場合は、きれいなぬれタオルで軽く拭いてください。)
□ 気圧の変化が起こることはなるべくしないようにしてください。(新幹線・飛行機の使用、超高層ビルでの上層への移動、高山への登山、ダイビング等)
【その他】
□ 両側手術予定の方は、片側の耳の後ろを約2~3cm程髪の毛をそらせていただきます。


その他詳しくは、当科中耳外来にてご説明いたします。
受診希望の方は、その旨を初診時もしくは一般外来にて医師にお伝えください。必要な検査を行い中耳外来への予約を取らせていただきます