慢性副鼻腔炎の手術を受ける患者様へ 

鼻茸(はなたけ、ポリープ)を伴う慢性副鼻腔炎は大別すると、①好酸球性、②好中球性、③非好酸球・非好中球性になります。症状、手術所見、さらに摘出した鼻茸を顕微鏡で観察する病理組織所見などによって①~③に分類することができます。①~③の分類別に手術後の治療法や注意点も異なりますので、手術後に医師からどの分類に属しているかをお尋ねください。すべてのタイプで術後の鼻洗浄は重要な治療法ですので、忘れずに励行してください。

以下に、分類ごとに説明します。

①好酸球性

 近年、注目されている疾患です。症状としては、早期の嗅覚障害(ニオイがしない)、鼻閉(はなづまり)、鼻漏(特に、ニカワ状、セメンダイン様の黄土色の鼻汁)が特徴的です。喘息と合併することが多く、難治性・再発性ですので、術後は長期間(数年~数十年間)の治療と管理が必要です。基本薬として、ステロイド薬の鼻スプレーなどです。特に、喘息と既にお持ちの方は喘息と同様に体質として、一生付き合っていく病気として認識してください。

 好酸球とは血液中の白血球の一種で、喘息では気管支粘膜や痰に多く存在します。好酸球性副鼻腔炎では鼻茸や鼻汁に多く存在しています。

 術後の再発の徴候(サイン)は、嗅覚障害(ニオイがしなくなる)と鼻漏です。鼻漏には2種類あって、①前述したニカワ状、セメンダイン様の黄土色の鼻汁と②細菌の感染後の黄緑色の悪臭のある膿(うみ)です。再発のサインに気付いた時には以下の薬を短期間服用してください。

1)ニオイがしなくなった時またはニカワ状、セメンダイン様の黄土色の鼻汁が出た時

   ・事前に頓服用としてお渡ししたプレドニゾロンを服用指示に従ってお飲み下さい。

   ・ニオイが感じるようになったら、お薬の服用をお止め下さい。

    ・事前に処方された日数分の薬をすべて飲み切っても、ニオイが戻らない・鼻漏が止まら

ない場合は、当科の鼻副鼻腔外来に受診してください。

2)黄緑色の悪臭のする膿(うみ)が出た時

   ・事前に頓服用としてお渡ししたクラビットまたはジェニナックを服用指示に従ってお飲み

下さい。

   ・膿汁が止まったら、お薬の服用をお止め下さい。

    ・事前に処方された日数分の薬をすべて飲み切っても、膿汁が止まらない場合は、当科の

鼻副鼻腔外来に受診してください。

3)膿の鼻汁とニオイの障害が同時に起こった時

    ・最初に膿汁を抑えるクラビットまたはジェニナックを内服してください。

    ・膿汁が止まってもニオイが戻らなければ、プレドニゾロンを服用してください。

ニオイの障害を自分で評価する方法として以下のアンケート方法をご使用ください。合計点が10点以下になったら、注意してください。

 

②好中球性

 細菌感染をきっかけで起こる副鼻腔炎です。鼻茸に好中球という白血球が多く存在します。膿のような鼻汁が特徴的です。手術後はマクロライド抗生剤を通常の半量を長期間(2~6ケ月間)服用することで良好な経過となります。半量にすることで抗生物質の効果ではなく、副鼻腔炎の炎症を抑える効果になります。術後に注意することは、感冒(かぜ)の後の膿汁です、この時は早目に治療が必要です。約2年間再発がなければ、治癒として良いでしょう。

③非好酸球・非好中球性

 鼻茸に好酸球・好中球性のどちらも少なく、軽度な炎症のタイプです。手術後の再発が最も少ないタイプです。

以上の注意点に気をつけて、術後の管理と通院を続けてください。

順天堂医院耳鼻咽喉・頭頸科