難治性・再発性の慢性副鼻腔炎・鼻ポリープについての術後管理のご説明
  近年、難治性・再発性の慢性副鼻腔炎・鼻ポリープの患者様が増えております。この病気は喘息やアレルギー性疾患に深い関係のある好酸球という白血球がポリープや鼻水に多く出現することが原因であると考えられております。手術でポリープを完全に除去しても、手術後に風邪を引いたり、喫煙を継続していると再発する可能性が極めて高くなります。しかしながら、再発の初期段階であれば、ステロイド剤(副腎皮質ホルモン剤)を短期間内服するだけで、再発を防ぐことが出来ます。

再発の徴候は「物のニオイがしなくなる」という事が多いので、手術後に自分でニオイの検査を定期的に自宅で行って下さるようお願いします。ニオイスティックという口紅のような形状をした検査器具を当院の3号館1階の売店にて三千円程度で購入できます。(冷蔵庫に保管してください。常温におきますと劣化します)。

以下に簡単に使用法をご説明します。
1) ニオイスティックのキャップを取ります。
2) 同時にお渡しする薬包紙の上に1円玉程度の範囲をスティックで塗ります(薬包紙は通常の薬店で購入できますので、使い切った場合はご自身でご購入下さい)。
3) 薬包紙を5回程度指でこすり合せます。このことによってマイクロカプセルに封入されていたニオイのエキスが潰されて、ニオイが染み出されます。
4) 薬包紙を開いて、鼻に近づけてニオイをかいで下さい。
5) 香水のニオイがすれば、再発はしておりません。
6) 何回か試しても、ニオイがしなければ再発の徴候とみなして、お薬(プレドニン)をお飲み下さい。また著明な鼻汁や鼻閉が数日間以上続く場合もお薬をお飲み下さい。

お薬(プレドニン)の服用方法
1) 事前に頓服用として、お渡ししたプレドニンを服薬指示に従ってお飲み下さい。一緒に処方した胃薬もお飲み下さい。
2) ニオイスティックでのニオイが感じるようになれば(または鼻汁や鼻閉が治ったら)、お薬の服薬をお止め下さい。
3) 事前に処方された日数分の薬をすべて飲み切っても、ニオイが戻らなければ、当科の鼻副鼻腔外来に受診してください。

喘息・気管支の管理について
  難治性・再発性の慢性副鼻腔炎・鼻ポリープは高率に喘息を合併または喘息の予備軍であることが知られております。また鼻の病変が悪くなりますと喘息や気管支にも影響を及ぼすことが懸念されています。従いまして、鼻の管理と伴に、喘息または気管支の管理が重要となります。
鼻の管理には前述しましたニオイスティックを用いますが、喘息・気管支の管理にはピークフローという肺活量を自己測定する器具で管理して頂きます。このピークフローの器具は当院の3号館1階の売店にて四千円程度で購入できます。
この器具には喘息日記が付いており、毎日測定した肺活量の値を記載していただきます。同時にニオイスティックで調べたニオイがしたか、しないかについても記載していただくようお願いします(ニオイの程度は「◎:よく匂う、○:弱く匂う、☓:ほとんど匂わない」で表記してください)。再来の時に、この喘息日記も外来にお持ち下さい。

<ニオイスティックの使い方>
写真1:薬包紙に直径2cm程度サイズでニオイスティックを塗ります。
写真2:親指と人差し指で薬包紙を挟み、円をすりつぶすように5回程度すり合わせます。
写真3:開いてにおいを嗅ぎます。

ニオイの程度は◎:よく匂う、○:弱く匂う、☓:ほとんど匂わない
で表記してください。

→PDFファイルで詳しくご覧になれます。